ADHD(注意欠陥・多動性障害)は発達障害のひとつです。
近年では、子どもだけではなく大人になってからADHDと診断される人も多く、注目を浴びています。
■頻度アメリカのデータでは子供は5〜7.5%、大人は4.7%です。症状は生涯にわたって続くと考えられます。
■性差男性に多い。
■原因多数の関連遺伝子神経伝達物質(DAT1, DRD4など)
環境要因不明(妊娠中のアルコール、タバコ摂取など)
遺伝要因と環境要因が密接に相互作用する
■分類DSM-5の新たな診断基準では、過去6ヶ月の症状の現れ方によってADHDを分類します。
1. 混合状態
2. 不注意優勢状態
3. 多動性/衝動性優勢状態
■症状子供のころは、落ち着きがないことが目立ちますが、大人になると不注意が目立ちます。
職場では会議中や仕事中にそわそわしたり、貧乏ゆすりをします。
会議中に不要な発言をします。
仕事が身に入らず集中できない、期限までに仕事が終わらない、ケアレスミスをするなどがあります。
家庭では家事をしている時に、別の事に気がちり、家事が終わらない。
おしゃべりをして家事が終わらない。
衝動買いをしてしまう。
スリルを求めて、危険な運転をして事故をおこしたり、アルコール、タバコ、買い物、ギャンブルなどに依存する。
部屋をかたずけられない。
外出の時準備に時間がかかる。
お金の管理ができない。
人間関係ではおしゃべりがとまらない。
自分のことばかり話す。
些細なことにも怒る。
衝動的に人を傷つける事をする。
約束を守れない。
人の話を聞かない。
順番を待てない。
■治療子どもの頃にADHDと診断された人の中には、成長につれて症状がなくなったり、軽くなる人もいます。自分の特性を理解し、苦手な場面にもどのように対処するかを学び、自分の特性を生かし、才能を発揮してゆくことが必要です。
しかし、職場、学校、家庭において、支障を来す場合には治療が必要です。
現在は治療効果がある薬があります。
さらに、認知行動療法で考え方を修正することは非常に有益です。