■治療の流れ
問診・診察
1) 喫煙状況
2) ニコチン依存症のテスト(TDS)
3) 診察
■保険適用の決定
以下の4つの条件を満たす時に保険適応となる。
1) 直ちに禁煙をすることを考えている。
2) TDSによるニコチン依存度が5点以上である。
3) ブリックマン指数(喫煙数/1日×喫煙年数)が200以上である。
4) 治療を受ける事を文書で同意する。
■治療期間
ニコチンパッチ:8週
チャンピックス:12週
■治療方法(どちらかを選択するが、最近はほとんどが内服である)
ニコチンパッチ外用薬
チャンピックス内服
■費用
ニコチンパッチ:13,000円(3割)
チャンピックス:19,000円(3割)
■チャンピックスの服用の仕方
第1週
1-3日:0.5mg 1日1回服用
4-7日:0.5mg 1日2回服用
第2週から12週 1mg 1日2回服用
■チャンピックスの副作用
吐き気、頭痛、便秘、不眠、気分の落ち込みなど
■当院の禁煙成功率
約50%です。
タバコ関連死
タバコと寿命の数値
タバコが人体に及ぼす悪影響を数値化したデータがあります。
1本タバコを吸うことで、どれだけ寿命が縮むかという数値です。
・タバコ1本吸うことで、5分30秒寿命が縮まります。
・1日1箱(20本)吸うと、2時間弱寿命が縮まります。
・1日1箱を1ヶ月吸い続けると、約3日寿命が縮まります。
・一生吸い続けると、約5〜6年寿命より早く死亡することになります。
これでも、喫煙しますか?
喫煙による悪影響
1) 肺・気道への影響
喫煙することにより、気道に炎症がおこり、気管支炎がおきます。
さらに、肺胞に炎症が及ぶと肺胞が拡大し、肺のう胞になり、これが壊れると、肺気腫になります。それ以外にも、肺癌になったり、間質性肺炎(肺が固くなる)などの病気になります。
2) 心臓・脳・血管への影響 喫煙することにより、体内に一酸化炭素が増大し、酸素が減少し、血管損傷や血栓ができやすくなります。ニコチンは、血管を収縮し血流を減少させ、悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化の原因になり、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。 3) その他臓器への影響 動脈硬化のより血流が減少することにより、肝臓、腎臓、骨、子宮などさまざまな臓器に障害が起きます。 4) 女性への影響 喫煙による女性への影響は、主に以下のようなことがあります ●肌が荒れたり、皺、シミが増える。 ●髪の毛が薄くなる。 ●女性ホルモン、とくに卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少する。 ●卵巣の中の卵胞の発育が悪くなる。 ●月経不順になる確率が高くなる 。 ●閉経年齢が早くなる。 ●不妊の確率が高くなる。 ●体外受精でも妊娠率は、約半分である。 ●骨量が減少し、背骨が曲がり、骨折しやすくなる。 ●妊娠中の喫煙は胎児に低酸素および低栄養をもたらし、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、自然流産、早産、胎児奇形、胎児死亡などの可能性が高まる。 ●出産後には、子供に喘息、言語機能の低下、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、そのたの発達障害をもたらす可能性が高まります。
寺尾クリニカブログ

寺尾クリニカ
