線維筋痛症は、広範囲の部分に慢性疼痛が持続し、体幹部の特異的な圧痛点を有し、多彩な身体的、機能的、精神的な症状を呈する比較的新しい疾患概念である。1990年に米国リウマチ学会が診断基準を作成している。米国では人口の2%(女性3.4%、男性0.5%)、リウマチ科に通う患者のうち15%が線維筋痛症という統計もある。日本では、2007年の厚生労働省の調査によると、有病率は人口の約1.7%、患者数は200万人程度と推定されている。全体の75%以上が女性で、特に20歳から60歳、成人から中高年の発生率が高いと言われている。
線維筋痛症と診断された時に大うつ病が合併している割合は30%から50%。大うつ病の合併率のオッズ比は2.7倍であり、双極性障害を含めると6.2倍にもなる。線維筋痛症の患者の家族に大うつ病を合併する割合も高く、オッズ比は1.8倍である。大うつ病が合併する割合は、関節リウマチの34.2%に対して、線維筋痛症は73.1%と高い値を示している。
当院でも3人の患者さんがいましたが、皆さん精神的に落ち込みがありうつ病を合併していました。この病気はなかなか治療が難しいです。