粒子状物質とは、一般的には大気汚染の原因となる微粒子全般をいいます。
大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね2.5μm以下のものをPM2.5といいます。我々が微粒子を吸い込んだ時、鼻、喉、気管、肺などに沈着することで健康への影響を引き起こします。粒子径が小さいほど、肺の奥まで達する可能性があります。粒子径以外に粒子の形状や個人の呼吸の速度などにもよりますが、概ね5μm以下になると肺胞にまで達します。ただし、1μmでも肺胞まで達するのは吸入量の1 から2割のみで、残りは呼吸により再び排出されます。呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患の患者においては、健康な人よりも沈着量、沈着速度の方が大きく増加するという研究結果があります。また粒子状物質への暴露は人の気道や肺に炎症反応を誘導し喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる可能性があります。また循環器に対しては不整脈等の心機能の悪化をもたらすという報告もあります。PM2.5は中国において騒がれていますが、我が国においても高値を示す地域があります。東京においても幾つかの地域では時間により40から60μg/?(基準は35μg/?以下)に達しています。これは中国からのものではなく、我が国における車の排気ガスによるものです。中国ほど高くありませんが、侮ることはできません。我が国にも大気汚染があることを忘れてはいけません。