最近、非定型うつ病の方が増えています。
特徴的な症状は、気分の落ち込みや気力、集中力の低下など、うつ病特有の憂鬱さはあるのですが、楽しいことや良いことがあると、その気持ちが明るくなり一時的に憂鬱ではなくなります。午前中は比較的穏やかに過ごせるのですが、夕方から夜にかけて理由のなくイライラが高まり体調も気分も不安定になります。これはサンセット・デプレッションと呼ばれ、時には気分が高ぶっておさえきれずに泣きわめいたり暴れたり自傷行為に及ぶ場合もあります。睡眠時間を十分にとっているのに、昼間に眠気を感じたり、いくら寝ても寝たりない。
このタイプの人は、他人の目が気になり、周りの期待に応えようと頑張ったり、自己主張ができないという性格の人が多いようです。また、児童期や思春期に親を亡くしたり、両親が離婚したり、虐待されたり、親から充分に愛情を注がれなかった体験を持っている場合も多いようです。
非定型うつ病は境界性パーソナリテイ障害との鑑別が難しいですが、他者との人間関係でトラブルを起こしやすかったり、人間関係の別離に対する耐性が極端に低かったりするケースでは、非定型うつ病と境界性パーソナリティ障害との結合が見られることがあります。