平成19年の日本人の肺がん死亡者は65,576名(男 47,659, 女17,917)で、全体と男性ではがん死亡原因の一位、女性でも胃がんに次いで二位です。この数字は、平成11年では52,177名(男 37,934、女14,243)であったことからこの8年で25%以上増加したことになります。
肺がんは治りにくいがんの代表であり、肺がんによる死亡を減らしていくためには、まず予防することが重要です、肺がんにならないようにするには、なんと言っても禁煙が重要です。日本では他の先進国と比べて男性の喫煙率が高いのが特徴です。一方、女性の喫煙率は低いのですが、近年若い女性の喫煙率が上昇していることが問題となっています。一日喫煙本数×喫煙年数を喫煙指数といい、これが400以上の方は肺がんのハイリスクグループとされます。さらに、1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいという結果です。 また、一日20本吸う人は非喫煙者にくらべておよそ10倍程度肺がんで死亡しやすいといわれています。また、最近は受動喫煙が問題になっています。夫がヘビースモーカーの場合、妻の肺がんの危険は2-3倍程度上昇するといわれています。これは厚生労働省の調査でも言われています。あるデータでは、たばこを吸う人での肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性では4.5倍、女性では4.2倍に高いと言われてます。また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では 3.7倍に高くなっているそうです。肺がんになった人のうち、男性では68%、女性では18%がたばこを吸っていなければ肺がんにならなくてすんだといわれています。私の経験でも、肺癌と診断された方の98%が喫煙者でした。しかも、皆さん1年もたたないで、苦しんで亡くなられました。健康にリスクのあるタバコは止めるべきです。来年からタバコが値上がりします、この機会に禁煙しましょう。