受動喫煙に関する興味あるレポートがありましたのでお読み下さい。
受動喫煙が精神的な苦痛や将来的な精神疾患のリスクを高めることが、ロンドン大学Mark Mamer教授らが6月7日のオンライン版 Archives of General Psychiatry に掲載された研究によって明らかになりました。
この研究は約8000人のスコットランド在住の成人を6年間(1998年、2003年)にわたって調査した結果をもとに分析し、深刻な受動喫煙の状態に置かれた非喫煙者(0.7μg/L以上15μg/L未満)は、入院または精神科への通院などに陥るリスクが、受動喫煙のない非喫煙者に比べて約3倍も高いことがわかりました。
また最近の生化学の研究領域では、受動喫煙によって、炎症マーカー、血糖値、心血管病リスクマーカーなどが悪化することがすでに報告されていますが、ヒトを対象にした精神的な影響については、喫煙がうつ病と関係することくらいしか報告されていませんでした。
そこで博士らは、上記の8000人調査を行い、非喫煙者の「コチニン」というニコチン代謝物質の血中量を測定しました。その結果、コチニンレベルが高い非喫煙者は、年齢が若く、BMIが高く、運動不足で、アルコール摂取量も多く、慢性的な病気をより多く持っていることが判明。さらに6年後に精神的な苦痛や精神科への入院などについて質問した結果、明らかに受動喫煙によって精神疾患のリスクが高まっていることがわかりました。
アメリカでは約60%の非喫煙者が、受動喫煙にさらされていると言われ、「たとえ低レベルのリスク上昇でも、公衆衛生の問題として考えると、とても大きなインパクトがある」と博士らは述べています。
受動喫煙に関しては、まだまだ理解されない病気ですが、重大なことなのです。
当院においても、受動喫煙によりうつ病やパニック障害などの精神疾患になった方はかなりいらっしゃいます。お悩みの方は、ご連絡下さい。