うつ病や躁うつ病にかかる人が増えていると言われています。
1996年には43.3万人であった総患者は1999年には44.1万人とほぼ横ばいであったが、その後、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と9年間で2.4倍に増加しているのが目立っています。
男女別ではうつ病・躁うつ病の場合は男性より女性の方が1.7倍と多いです。年齢別には、いずれの年齢層でも女性が男性を上回っています。男性は40歳代が最も多く、30歳代がこれに続いています。女性は60歳代、70歳代が最も多いです。女性の場合は高齢者にうつ病・躁鬱病の患者が多い点が男性と異なる点です。
総患者数が増加した1999年から2008年にかけての男女・年齢別の増加数を見てみると、男女とも30歳代の増加が最も多くなっています。
確かに、ストレス(職場においても、家庭においても)が増加しており若い世代の精神的な弱さも加わりうつ病患者が増加していますが、うつ病患者の急増については軽症者の受診が増加していることも要因です。うつ病の啓発が進み、新しいタイプの抗うつ薬が国内でも相次いで発売され、本来必要がない人までが、薬物治療を受けている可能性があります。逆に本来受信すべき患者が病院に行かないことも重要な事実であり、問題であります。
うつ病にいたる原因を探り、患者と医師が信頼関係を密にして、病気に対して薬だけに頼らず精神療法を併用して治療してゆくことが大切です。