興味ある報告がありましたのでお読み下さい。
米ワシントン大学のJoshua P. Thaler氏らは,カロリーの60%が脂肪に由来する高脂肪食(通常食の約2倍)を,ラットとマウスに食べたいだけ食べさせた。すると、その視床下部では,食事開始後24時間以内にさまざまな炎症マーカー(炎症や組織障害によって変動する体内の物質)が増加し始め,1週間以内には炎症による神経の損傷も検出された。この炎症は1週間ほどで治まるが,その後も高脂肪食を与え続けると1カ月後には再発し,その後約8カ月の実験終了時でも治らなかったという。
脳の視床下部は食欲やエネルギー代謝を制御しており,肥満になると炎症を起こし,食欲や体重のさらなる増加の原因となることは,ラットやマウスによる実験ですでに知られていた。これにより,肥満による脳へのダメージは,高脂肪食の最初の1食ですでに始まり,それが食欲を刺激する呼び水となり,また大量の高脂肪食を食べてしまうという悪循環を生むと考えられる。つまり,高脂肪食は,食べ始めたら止まらないというわけだ。
一旦肥満になると、なかなか痩せないのは脳に障害がおこるためです。痩せるには、やはり脂肪の少ない食事を摂取することが大切です。