抑うつ神経症とは、抑うつ状態が慢性化した状態のことを言います。そして、外見に現れる症状は、うつ病と大変よく似ております。
うつ病の原因は、現代ではまだ精確に解明されてはいませんが、 脳内物質のセロトニンが深く関わっていることがわかってきました。
抑うつ神経症は、憂うつ、無力感、 無気力、悲哀感、絶望感など、うつ病と酷似した症状です。
抑うつ神経症は、原因がはっきりと特定できるという点でうつ病とは異なります。
例えば、それまで元気な生活をしていたにも関わらず、 死別、別居や離婚、仕事の重大ミスなどにより、突然、抑うつ状態になることがあります。
このように抑うつ神経症は、特定の環境や事件など明確な原因があり、 かつ、抑うつ状態が慢性的に続く状態のことを言います。
米国精神医学会診断基準である「DSM−(4)」は1994年に改訂した際に、「抑うつ神経症」という名称を完全に削除し、うつ病などの気分障害の一亜型とし、「気分変調性障害」とし、うつ病のひとつとしてしまいました。その基準によると、2年以上の慢性的な抑うつ気分の他に、次の6つの症状のうち2つ以上があることが条件とされています。
(1)食欲減退または過食
(2)不眠又は過眠
(3)気分の低下又は疲労
(4)自尊心の低下
(5)集中力の低下又は決断力の低下
(6)絶望感
治療は内服に加えて精神療法が必要です。