最近、受動喫煙で悩んでいる女性の受診が増えています。
職場環境において、十分に分煙されていないために症状が出現しています。
現在、少し前の調査では職場において完全分煙は20%に過ぎません。
病院でも70-80%で100%ではありません。信じられませんね。
2008年に米国公衆衛生総監報告」でも、受動喫煙による健康への影響について、次のような報告がされています。
•受動喫煙によって冠動脈心疾患のリスクが25%〜30%増加する
•喫煙者との同居に伴う受動喫煙が原因で、肺がんリスクが20%〜30%増加する
•受動喫煙と乳幼児突然死症候群の間には関係がある
•親の喫煙による受動喫煙と、幼児及び子どもにおける下気道疾患の間には関係がある
•親の喫煙と、中耳炎や慢性滲出性中耳炎などの小児の中耳疾患の間には関係がある
受動喫煙に対する認識がまだ遅れています。我々同僚でも受動喫煙に関して無関心の医師が多く、情けないことです。この病気に対する治療は症状を緩和するのみで、根本的な治療はありません。なぜならタバコの煙が原因だからです、つまり禁煙がさらに進んで喫煙する人が減れば受動喫煙という言葉はなくなります。受動喫煙で悩むこともなくなります。
現在私にできることは職場環境を改善するために、診断書を書き患者さんの健康状態を会社に示すとともに、一般の方に受動喫煙に悩んでいる方が多いことや受動喫煙の危険性を示すことだと考えます。
受動喫煙で悩んでいる方は一人で悩まず、ご相談ください。