自分が他人からどう見られているか、どう思われているかを気にしない人はいません。自分の表情が、視線が、動作が人の目にどう映っているか、それを意識しすぎることから対人恐怖は始まります。赤面、手のふるえ、表情のこわばりなどを心配したり、他人の視線や他人の存在そのものを恐れたりして思うように行動が出来ないことが対人恐怖症の症状です。
子供の時は、他人を気にしないのが当然ですが、成長するにつれて、集団の中での自分の役割というものを意識するようになり、それに伴って他人の目が気になるようになります。思春期ころに人目を気にするようになるのは健康なことです。それが度を越してしまうと、対人恐怖症という病気になります。
対人恐怖症は日本人に多い病気です。なんでも平均が良いことだとする日本的な考え方がこの病気を発生させています(学生の制服など)。目立つことの良さより悪さの方が意識されるのが日本です。自分の特徴が他人に不快感を与えているのではないかという意識が対人恐怖症の原点です。しかし、大部分の対人恐怖は30歳までに自然に治ります。
いくつかのタイプにわかれます。
1)スピーチ恐怖症・発表恐怖症等
仕事をもつ男性に多く、最近は女性にも増えています。
2)サークル恐怖症
女性、特に主婦に多い神経症です。
3)会食恐怖症
若い女性に多い神経症です。人前で緊張して食べられなくなります。。
4)書痙・ふるえ恐怖症
人前で書類を書いたり、サインをしたりするときに字がふるえたのを契機に始まります。
5)表情恐怖・赤面恐怖
治療は抗不安剤、抗うつ剤などの投与と認知行動療法(考え方を修正する)があります。
現在、何人かの方がいらっしゃいますが、改善傾向にあります。