世界保健機関(WHO)は10月17日、全世界で昨年、結核に感染したのは約870万人で、前年より10万人減少したが、薬が効かない耐性結核菌による感染は拡大しているとの報告書を公表しました。昨年の結核による死者は約140万人で前年と変わらなかったとしました。WHOによると、最も多くの結核患者が発生したのはインドと中国で、この両国が全世界の発生率の約40%を占めています。インドと中国では耐性菌による感染者も増えています。
日本の場合は、十分な対策が持続的に行われなかったことにより、今でも先進国の中で、罹患率が2番目に高い状況にあります。現在でも、結核を新たに発症する人は年間約3万人もいて、2000人以上の人が毎年亡くなっています。また日本は、開発途上国と異なり、発病者の多くが高齢者です。戦時中や戦後に結核に感染して、年を取り免疫力が低下して、発病する場合がとても多いのです。若い人々は感染したことがないため、結核菌に対する免疫がなく、結核菌を吸ってしまうと感染しやすく、感染してから短期間で発病する恐れがあります。結核は空気感染をするため、密閉状態の空間であるネットカフェやカラオケボックスなどに、不特定多数の人が出入りする所から、若い人々にも結核の発病が増加する可能性があります。特に喫煙者は発病しやすいです。また、日本でも薬剤耐性結核菌が増えていおり、薬剤が効かず亡くなることがあります。
1月以上持続する咳は結核の可能性がありますので、甘くみないで医療機関を受診しましょう。