最近、女性の喫煙者が多いですが、米国からの興味深いレポートがありますのでお読みください。
米国・ハーバード大学医学部のEruna Pradhan博士らがAnnals of Internal Medicine 2011年6月7日号に発表した研究で、女性の喫煙は閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患発症リスクを高めており、禁煙して喫煙期間が短い場合でも、リスクがあまり低下しないことが明らかになりました。
博士らは調査開始時点で医療関係の職業についている女性38万825人(調査開始時点で45歳以上)を対象に平均12.7年にわたり継続して喫煙状況と健康状態について継続調査をしました。調査は 初年度が2回、その後は 年1回実施され、 健康状態の質問には末梢血管疾患に罹患したか、またはそのような兆候があるかどうかについても報告されました。
データを分析した結果、喫煙女性は喫煙経験のない女性に比べて末梢血管疾患 に罹患するリスクが10倍も高いこと がわかりました。喫煙者が禁煙することにより、この末梢血管疾患リスクは低下していましたが、禁煙後20年経っている女性でも、非喫煙女性に比べてリスクが高い こともわかりました。この結果から博士らは、すでに喫煙が心臓病や肺がんのリスクを高めているこ とは知られているものの、末梢血管疾患の発症にも非常に高い影響を与える要因であることが、この調査結果から明らかであり、女性の末梢血 管疾患は、特に下肢に発症しやすく、脚の痛みの発生に伴い、日常生活に不便や苦痛を来たすことが知られているので、ぜひ女性は喫煙を避け るべきであるし、また末梢血管疾患は心臓病のリスクも高めているので、このことも忘れてはいけないと述べています。
来年、タバコ料金が上がることが確かです。女性の皆さん禁煙をしましょう。