風疹は小児の場合通常あまり重くない病気ですが、妊婦、特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、先天性心疾患、白内障、精神運動発達遅滞などをもった、いわゆる先天性風疹症候群の児が出生する可能性があります。また、風疹にかかるとまれに脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの軽視できない合併症をおこすことがあります。
大人が感染した場合は発熱や発疹の期間が小児に比べて長く、関節痛がひどいことがあり、一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
風疹の予防接種を行う主な目的の一つは、妊婦が風疹にかかることによって生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群の障害をもつことのないように、あらかじめ予防することです。予防接種は風疹の自然感染による合併症の予防にもなり、大人が感染して重症になることも予防します。
注目すべきは、30代の男性、20代の女性の感染が最も多く、感染者全体の40%も占めているというから驚きです。これは、我が国における風疹の予防ワクチン接種に問題があったからです、つまり女子中学生は1977年から行われていたのですが、 男子に予防接種をするようになったのが、1995年からです。従って、現在30代後半以上の男性は、予防接種をしていない可能性が高く、抗体を持っていない人が多いと考えられているため、 30代男性の風疹感染者が極端に多いわけです。
妊娠可能の女性と30代の男性は抗体を検査して陰性なら予防接種をしましょう。
当院でも検査及び予防接種は行っておりますので、ご連絡下さい。